災害時の避難生活で寝袋は必要か?
1995年の阪神淡路大震災から30年。その後もこれまで全国各地で大きな地震による被害があり、2024年元日に能登を襲った大地震も記憶に新しいですね。南海トラフで大きな地震が起こるのももう間もなくだろうと言われています。
また、年々大雨の被害も激しさを増す一方で、日本中どこにいても、誰であっても災害のリスクと無縁ではありません。
災害そのものを完全に避けることは難しいけれど、被災したあとの被害や困難を軽くするため、何かしらの備えが必要です。
そうは言っても、まだ遭遇したことのない災害に対して何を準備したらいいのか、悩むところですよね。
たとえば寝袋。
キャンプが趣味の人でもない限り、普段はあまりなじみのない品物で、買っても無駄になるのではないかと気になります。
「ぜひ必要だ」と言っている人もいれば、「いらない」と言っている人もいる。どっちなんだろう?と思うけど、これは防寒グッズや暑さ対策グッズと同様、「その時になってみないとわからない」「個々の体感や考え方の違いもある」というのが本当のところです。
どこで避難生活を送るか
一口に「災害時に必要なもの」と言っても、被災した季節、あるいは災害直後か翌日以降か、そしてその時にどういった状況に置かれるかによっても違ってきます。
地震や洪水で自宅が大きく損壊し、住み続けることが困難になったとき、着の身着のままで避難所に行く、または自家用車の中で過ごすという事態になったとしたら、十分とは言えないまでも「寝袋があって助かった」という状況になることは想像できます。
しかし自宅が居住可能な状態をとどめているなら避難所に行く必要はありません。
停電になってしまうと、特に冬の場合は自宅でも寒さとの戦いになりますが、とりあえず布団や衣類が無事なら、それらを活用してしのぐことになるでしょう。この場合、寝袋の出番はないかもしれません。
つまりどのような状況に備えるかによって、「必要」「あったほうが良い」「いらない」と答えは違ってくるのです。
「万全の備え」とは、いらないかもしれないことを「ムダ」とは思わず、あらゆる季節、天候、場面を想定して、どうなっても対処できるようにしておくことです。
が、100%の備えをするのは難しい。想定外のことは必ずあるものだし、そうでなくても個人の備えには限度があって、妥協せざるを得ないこともたくさんあります。
一般の人にできるのは、自分の置かれた環境で最も起こりうることを想定しつつ、多少のムダも覚悟しながら「安心」を作っておくことです。
災害時の備えに適した寝袋について
寝袋に関していうと、キャンプが趣味だったりして、普段から愛用しているものがあるなら、とりあえずそれを利用するのがいいでしょう。
もし新たに用意しようとお考えの場合、「どうせ買うなら」と、冬山で耐えられるような高性能な寝袋をと奮発しても、非常用としてはオーバースペックで、なおかつニーズに合わない可能性がある、とはお伝えしたいと思います。
たとえば「マミー型」と呼ばれる、人型にジャストフィットする狭い作りの寝袋。登山家が愛用するような高性能タイプは、防水で冬山の寒さに耐えるレベルのものでも小さくたたんで持ち運びができます。が、体を入れてしまうとほとんど動けないため、寝心地はよくない。過酷な環境での睡眠に慣れている人ならともかく、慣れない避難所での生活で体がつらいとQOLはますます下がってしまいます。
いくらか寝やすいものだと、幅にゆとりのある「封筒型」がありますが、このタイプで冬用となると小さくたためず保管場所に困ることもあります。
車の中やクローゼットの棚などに常備しておければいいですが、そうするには大きすぎて押し入れや物置の奥に追いやっているようでは、いざというとき持ち出せなかったりしますし、何より冬山用では季節によっては暑すぎて眠れません。
被災地で寝袋が活躍するのは避難所か車の中で休むときだと考えると、極寒に耐える性能以上に、使用時の快適さと保管や持ち運びのしやすさが優先されるのではないでしょうか。
日本羽毛製造の寝袋・防寒具について
弊社が現在販売している寝袋は中綿には天然の羽毛を使用しています。全体の厚みとしては夏の肌掛け布団程度なので、適応するのは主に春から秋で、衣類や毛布を適宜追加してご使用いただくのがよいでしょう。
また硬い床で体重に押されて羽毛がつぶれると保温力は低下してしまいます。ダウンの寝袋はあくまでも車のシートやソファー、ある程度弾力のあるマットの上で使用する想定です。
しかし羽毛製品は何より蒸れにくくて圧迫感がないこと、小さくたためてかさばらず、軽く運べることで、非常時の備えには最適であると考えています。
①アーム付きコンパクト寝袋
特にアーム付き寝袋は、ファスナーの開閉により足を出すこともできて、靴の脱ぎ履きも簡単です。車の中などで使用する場合におすすめです。
真冬や寒冷地の場合は車中での利用であっても、これのみで睡眠をとるのは厳しいと思われますが、災害時以外でもゴールデンウィークや秋の行楽シーズンのお出かけ時にはお役に立てる商品です。
身頃の大きさは幅が約70cm、長さが約200cm。300gのダウンが入っていて全体の重さは約959g。たたむと約40cm×23cmの長方形になり、車内に積み込みやすい大きさです。
→アーム付きコンパクト寝袋は Jumou BASE店で販売中
②コンパクト寝袋
寝具の足しとして、とにかく保管時にかさばらず、軽く持ち運べるものをお求めの場合はアームなしのコンパクト寝袋をおすすめします。広げたときの幅は約70cm、長さ約200cmと大人がゆったり眠れるサイズに約200gのダウンが入っており、全体の重さが約674gと軽量です。収納時には約22cm×38㎝になります。
こちらの商品もアーム付き寝袋と同程度の厚みです。いわゆる封筒型なので、平らに敷くことができる環境でのご使用に向いています。
「地元の避難所には寝具の備蓄は十分にあるようだし寝る心配はしていないけど、寒さ対策は気になる」という方には、もしかしたら寝袋よりもひざ掛け程度の防寒具が役に立つかもしれません。それも巻きスカート状になっているものや、簡単にポンチョにもなる仕様のものがおすすめです。
③羽毛のロング巻きスカート
こちらの巻きスカートは腰や太もも、膝周りが冷えてツライ、ひざ掛けが手放せないという方々から「着けたまま動けるのがいい!」「薄くて軽いのに暖かい」「夏には冷房対策で肩からかけて使っている」と高評価をいただいている商品です。
リピーターの方も多く、「二枚目は非常持ち出し袋に入れて、もしもに備える」というコメントも散見されます。
→羽毛のロング巻きスカートは Jumou 楽天市場店で販売中
④2way ブランケット
そして、肩にかけて前をファスナーで留めるとポンチョにもなるブランケットは羽毛入りだと本当に軽くて暖かいのです。
普段着ているジャケットよりも重ね着の自由度が高く、自在に暖かさを加えられます。
避難所に滞在する場合は、寒いと感じても自由にエアコンで調節するということが困難になります。そんなとき、衣類にプラスできる軽い防寒具があると心強いでしょう。
2 way ブランケット各種は現在実店舗のみのお取り扱いとなっております。
お問い合わせはメール、またはお電話で。
Email:jumou@nihonumou.com
Phone: 04-2932-5590
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さらに、これらの商品のおすすめポイントはご自分で洗濯していただけるということ。
車の中や大勢で暮らす避難所は、ご自宅のようには衛生的でない場合も多いのですが、被災直後は水を自由にふんだんには使えないので、何であれ洗濯は難しいでしょう。
しかし状況が改善したときには、しなやかな化繊生地の羽毛製品、特に国内自社工場で一つひとつ丁寧に縫い上げられた弊社の商品は型崩れもしにくく、全体を水洗いできるので、また必要になるときまで清潔に保管しておくことができます。
今後は災害がないことを祈るばかりですが、もしものとき「あってよかった」と喜んでいただけるもの、小さな安心をお届けできるものを提供できることを願って羽毛製品と向き合っています。
お気軽にお問い合わせください。04-2932-5590受付時間 10:00-16:00 [ 日・祝日除く ]
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