羽毛ふとんの心地よさを最大限に引き出し
持続させるための注意点
羽毛ふとんをお使いですか。その寝心地に満足していらっしゃいますか。
羽毛は、ふとんに充填すれば保温性、通気性に優れ、湿度もコントロールしてくれる最高の素材です。
季節や住宅の気密性に合った充填量、かさ高のふとんを選べば、すばらしい寝心地を約束してくれますが、その能力を最大限に引き出すためには少しだけ気をつけることがあります。
毛布を一緒に使うとき
寒さ本番の1月から2月にかけて、お持ちの羽毛ふとんではどうしても暖かさが足りず、毛布も重ねて使いたいということがあるかもしれません。
そのときに羽毛ふとんを肌に近く、毛布はその上に掛けて使うということは、近年よく見聞きするところだと思います。ほぼそのとおりで間違いではないのですが、厳密には毛布の質によるのです。
軽量で上質なウールやカシミヤなど、肌触りがよく吸湿性もある毛布なら、やはり肌に近くふとんより中で使ったほうがよく、それ以外なら羽毛ふとんで隙間なく体を包むために、毛布などはふとんより上に掛けて使うことがベターです。
けれど、毛布の素材がアクリルやポリエステルなどの化繊だと、放湿性が悪くなってしまいます。ムレないのが羽毛ふとんの魅力なのに、毛布で寝苦しくしてしまうのは残念ですよね。
さらに化繊の毛布で二重構造のものだと重さもあります。羽毛ふとんは厚みがあってこそ保温力を発揮するので、上に乗せた毛布の重さでつぶれたりすると、その分、暖かさが損なわれてしまいます。より暖かくするつもりが、逆効果になってしまうのです。
オススメしたいのは、羽毛ふとんの上に毛布をかける際「上半身には毛布がかからないようにする」です。お腹から下に毛布がかかるように下にずらして毛布をかけるとあまり重さを感じないと思うのですが、いかがでしょうか。布団の下半分に毛布がかかっていると、寝返りの際に布団内の暖かい空気を逃しにくくなります。
ある程度の重さがないと安眠できないという方もいらっしゃいますが、羽毛ふとんを使うのであれば、上に掛ける毛布や布団が、羽毛のふくらみを妨げていないか、ご注意ください。そしてできれば、寝室の環境に合った、それ一枚で十分なボリュームの羽毛ふとんをご使用ください。
干すこととカバーの有用性
羽毛には湿気を発散する性質が備わっているので、そう頻繁に干す必要はありませんが、月に1~2回干すと、かさ高性、弾力性、保温性を高めることができます。
「羽毛ふとんは直射日光に弱い」と言われるのを聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、それは「羽毛が」ということより、「側生地が傷むと羽毛が布団から出てくるようなトラブルもあり得る」ということです。
なので羽毛ふとんはカバーをつけたまま干すのが原則です。時間は午前10時から午後2時頃までの1~2時間。表裏それぞれの面を30分から1時間ぐらい干せば十分です。紫外線に当てることは殺菌効果を上げることにもなります。
くれぐれも取り込むときは叩かないように。生地が傷んだりして、羽が出てくる原因になります。軽く埃を払う程度にしましょう。可能なら、干した後にカバーを交換、洗濯するのがベストです。
あたたかいまま押入れにしまうのはやめましょう。押入れの湿気を吸ってしまいます。室内で少し冷ましてからしまう、が鉄則です。
羽毛ふとんは洗うことができますが、羽毛や側生地が傷むような頻繁なクリーニングは控えなければなりません。長く快適に使うために、カバーを使い、カバーを清潔に保つこと、ときどきふとんを干すことがとにかく有効です。
羽毛ふとんの性質を理解し、羽毛のある生活が厳しい冬も笑顔あふれる季節にしてくれますように。