子どもだけじゃない！
夏の寝冷え対策は大人にとっても重要です

毎晩ムシムシと寝苦しい季節、一晩中冷房を使うことも多くなって、就寝時は「暑い」と感じていたはずなのに、翌朝にはくしゃみや腹痛を起こしている、なんてこともありがちです。そのほか関節の痛みやしびれ、肩こり、腰痛。発熱や頭痛、倦怠感などなど、「風邪？」「なんだか調子が悪い」と感じたら要注意。「寝冷え」は昨今、子どもだけのものではなく大人にとっても大敵です。
その対策に、意外かもしれませんが、羽毛製品が大活躍するのです。

夏こそ寝冷え対策を

「寝冷え」はもともと寒い季節のものではなく、むしろ夏の季語です。暑い夜に薄着で寝て、朝方の気温の低下で体を冷やして不調を招く、といったことなどが主な原因でした。

昔は今ほど熱帯夜が多くはなく、夏とはいえ朝方には肌寒くなることが多かったからでしょうか。夏休みを迎える子どもへのあいさつや暑中見舞いの文言で「寝冷えに気をつけてね」とはよく言い交わされたものです。

子どもが寝冷えしやすいわけは、汗をよくかき、その汗が冷えて体温を下げやすいこと、体温調節の機能が未熟で気温の変化の影響を受けやすいことなどがあげられます。眠っているときに暑さを感じるとすぐに布団を蹴飛ばしてしまい、朝方の寒さで風邪を引く。特に小さな子どもにはよくあることです。

しかし現代は昔とは違った寝冷えの原因があり、大人も体調を崩しやすくなっています。

その最も大きな要因はエアコン。近頃は夏となれば夜でも気温が高く、防犯上窓を開けっぱなしにはできないので、寝るときにも冷房が必要なことは多々あります。暑さで十分に眠れなかったりすると、日中の活動に支障をきたしますし、脱水や熱中症のリスクも高まります。

しかし、起きているときと睡眠中では体の深部体温が違いますから、冷房をかけ続けると体を冷やしすぎてしまい、「寝冷え」の状態になってしまうのです。

寝冷えには様々な原因と症状がある

寝冷えの結果として現れる症状には概ね以下のようなものがあります。

腹痛、下痢
頭痛、発熱
咳、のどの痛み
くしゃみ、鼻水
肩こり、腰痛
手足のしびれ、末端冷え症
生理痛、月経不順
倦怠感、疲労感

俗にいう「夏風邪」の状態になりやすく、生活習慣や環境の改善をしない限り治りにくい。「夏の間じゅうずっと調子が悪かった」なんてこともあるようです。

冷房が原因である場合は、就寝時の設定温度を高めにすることや、気温が下がる明け方にはオフになるようにタイマーを設定するなど、エアコン自体で工夫することが最も有効です。

加えて現代人は不規則な生活やストレスによって、暑さにも寒さにも弱くなっているという指摘もあります。また人間の体は、夏は汗をかいて体温を調節するようにできていますが、その機能を使わずに人工的に冷やしてばかりいるわけですから、調子が狂うのも当然です。

寝苦しい→薄着＆エアコン使用下での就寝→冷える→体調を崩す→気温に対する抵抗力が落ちる→昼間もエアコン浸け＆冷たいものを飲食→冷える→寝つきが悪くなる…といった悪循環に陥っているのであれば、まずは寝冷えしないこと、日中も体を冷やしすぎないことがとても大切です。

夏なのに冷房で寒いオフィス対策に羽毛製品をおすすめするわけ

腹巻きやレッグウォーマーで保温する

とはいえ、複数の人と共に働いているオフィスや、家族と暮らす家庭では、エアコンをこまめに操作して、自分にとっての適温をキープするのは簡単ではありません。

デスクワークの時間は、ひざ掛けや羽織るものを用意して冷房対策をされている方も多いでしょう。同様に寝るときも、腹巻きやレッグウォーマーを使用して冷えを防ぐのはとても効果的な方法です。

眠っているときに暑さで布団を剝いでしまっても、体の中心と足首を冷やさないように保温していれば、深部体温の下がりすぎを防ぐことができます。足やおなかを出して寝ていて、夜中に寒くて目が覚めることがあるという方にはぜひ試していただきたいと思います。

たまに、「寝冷えを防ぐために夏も厚着をして寝る」とか、「布団だと無意識に剥いでしまうので、スリーパーのようなものを着て寝る」という方がいらっしゃいますが、過剰に汗をかくような状態で眠るのも好ましくありません。その汗が冷えることで、かえって寝冷えを招いてしまいますし、何より睡眠状態が悪くなる恐れがあるからです。

睡眠の質が上がると、暑さや寒さに対する抵抗力も上がり、適度な汗で体温を調節する、本来の体の機能が働くようになって、より健康的な夏を過ごせるようになるでしょう。