圧縮袋には入れないで!
羽毛布団の正しい収納

もう朝晩に冷え込みの心配がなくなって、
いよいよ羽毛布団を片付けようと考えたとき、
ふと、どのようにしまっておくのがいいのか、
気になりませんか。

昨年末「10年に1度の寒さになる」と聞いて
奮発して買った羽毛布団、
新生活の記念、大切な方からの贈り物などなど、
お気に入りの大切な羽毛布団は、
次の秋に再会するときにも
ふかふか暖かでいてほしい。

40年間、羽毛製品の製造・販売に
携わってきた日本羽毛製造株式会社が、
羽毛布団をしまっておくときに
気をつけたいことをお伝えいたします。

1. 圧縮袋の使用はNG!

大量の布団や衣類、ぬいぐるみなどを
薄く圧縮してしまっておける、
ジッパー付きの大きなビニール袋
…魅力的ですよね。

特に羽毛布団なんて
空気をいっぱい含んでいてかさばるから、
圧縮袋を使えば押し入れスッキリ~♪ 
でも、残念。
羽毛布団の空気を抜いて
ペチャンコにするのはNGです。

理由は以下のとおり。

①羽毛が「閉じて」しまう

布団の空気を抜いて
つぶした状態で長時間置いてしまうと、
袋から出しても羽毛が開かなくなり、
布団のふくらみが戻らなくなることがあります。

風に当てるなどして、
もとに戻ればラッキーですが、
それで復活しなければ、
もう二度とふかふかのお布団にはなりません。

②側生地に穴が開く恐れがある

「羽毛布団」といっても、
充填物のすべてが綿毛のような
羽毛(ダウン)ではありません。
適度な張りを与えるために、
ごく細い芯がついた
羽根(フェザー)も混ざっています。

布団の中の空気を極限まで抜いて
羽根と生地を密着させると、
フェザーの芯が側生地を突き破って
出てくる恐れがあります。

一度穴が開くと、次々と
そこから細かい羽毛が出てきてしまい、
直ちにリフォーム(側生地の交換)をしないと、
羽毛が減ってボリューム不足の
布団になってしまいます。

③カビ発生のリスクが増す

圧縮袋は気密性が高いのですが、
袋の中の環境次第では
カビが発生しやすくなります。
羽毛布団を衛生的に保つためには
通気性を維持し、
低湿度の環境に置くのがベターです。

2. シーツなどに包む

汚さないようにしっかり包んでおきたい、
ある程度は小さくまとめたい
ということであれば、
お手持ちのシーツや、大判の風呂敷で
包んでおくのがよいでしょう。

マチの部分が不織布でできている
羽毛布団専用の収納ケースは、
案外通気性がよくないので、
長期間の収納には向きません。

大事なのはとにかく通気性の確保。
そして羽毛布団をあまりにも小さく
つぶしすぎないこと。
重いふとんを何枚も上に置いたり、
押し入れの戸を閉めっぱなしにしたり
しないようにしてください。

3. 密封しないとダニが付くのでは…?

「でもうちの押し入れ、
いろいろなものが押し込んであって、
環境がいいとはとても言えない。
羽毛なんて生き物の毛だし、
密封しないとダニが付くんじゃないの?」
「防虫剤も必要では?」と
心配なさる方もいらっしゃいます。

しかし羽毛布団は
「ダウンプルーフ」といって、
羽毛が出てこないように
側生地の織り目をつぶす加工を施しています。
つまり布目がダニの体長より細かいので、
布団の中にダニが入り込むことは
そう多くはないのです。

表面についたダニなどは、
羽毛布団を使う前に干すことで
概ね退治できます。
もちろん、「縫い目からダニが中に…」
ということがないわけではありませんが、
その場合も
ふとん乾燥機などの使用により、
温熱で駆除することができます。

よほど心配な状況になったら、
クリーニングやリフォームをおすすめします。
いずれにしても防虫剤で虫よけをするよりも、
布団を干すことやカバーを洗濯することなど、
日ごろのお手入れのほうが有効です。

4. しまう前に必ずすること

羽毛布団を長くしまっておくときは
汚れたままにせず、清潔な状態にすることが
長く愛用する秘訣です。

もしも3年ぐらい
メンテナンスをしていないなら、
クリーニングをしてから
しまうのもよいでしょう。
(もちろん状況により、
使う前のクリーニングでもOKです。)

とにかく、しまう前には
一度干して湿気を飛ばしましょう。

屋外で天日に当てる場合は
紫外線で側生地が傷まないよう、
カバーはつけたまま干します。
その後、カバーを外して洗っておきます。

二段階で手間がかかりますが、
汗や皮脂で汚れたカバーをつけたままでは、
その汚れが羽毛布団の側生地に遷移して
変色の原因になります。
変色したシミはもう、
クリーニングをしても落ちません。

5. まとめ

以上が羽毛布団のシーズン終了後、
押し入れやクロゼットにしまうときに
気をつけたいことです。
まとめます。

◆圧縮袋の使用はNGです。
◆包んでおきたい場合はシーツ、
 風呂敷などを使います。
◆この時期のクリーニングもおすすめです。
◆とにかく一度干してからしまいましょう。
◆カバーをつけたまま干して、
 その後カバーを洗っておきます。
◆使う前には羽毛布団をもう一度干しましょう。

丁寧にしまっておいたお気に入りの羽毛布団が、
秋にまたあなたを笑顔にしてくれますように。

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