オーガニックコットンを使うべき理由

「オーガニックコットン」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか。
「肌によさそう」「地球環境にやさしそう」「高級で特別なコットン」……?

弊社では数年前「Jumouエシカルシリーズ」というブランドを立ち上げ、リサイクルダウン製品に加えて、オーガニックコットン製品のラインナップを拡充してきました。

通常の綿より希少で価格も高く、しかしながら日用品に適した素材であることには変わりない。
オーガニックコットンは、製品を販売しようとなると扱いにくい素材です。それでも、可能な限り綿はオーガニックを利用したい。できればお客さまにも、これを使うことの意義を知っていただきたい。そんなふうに考えています。

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オーガニックコットンとの出会い

数年前、Jumouの店長がエシカル・コンシェルジュの講座を受講していたのと同時期に、東京で「アースデイ」のイベントが開催されました。そこでオーガニックコットンの種をもらい、世界中の綿花栽培における様々な問題について知らされたのです。これが、Jumouがオーガニックコットンの重要性に目覚めた最初の契機でした。

吸湿性があって丈夫な木綿は、肌着や靴下、Tシャツやブラウスなどのトップス、パンツやスカートなどのボトムス、ナチュラルテイストのアウターなどなど、あらゆる衣類に利用されています。価格も手ごろで、近年隆盛を誇るファストファッションには欠かせない素材です。

綿花栽培地域と農家の苦しみ

その安くて有用な素材を作るために、農家の人たちがどれほど苦しい状況に置かれているか。そのことについて、何かご存じですか?

綿花は病害虫の被害を受けやすい作物で、大量生産するためにはたくさんの化学肥料や農薬、殺虫剤を使います。世界中で使われる農薬の18%、殺虫剤の25%が綿花を栽培するために使われていると言われるほどです。

それらは手袋やマスク、ゴーグル、防護服などを着用して厳重に扱わなければならない、いわば毒物ですが、たとえば一大産地であるインドなどでは、ほとんど身を守る装備のないまま広い畑に散布しているのです。

そのため現地では先天的な障害を持って生まれてくる子どもの割合、脳腫瘍などの悪性新生物が発生する割合も高いと言われています。平均寿命がインド国内の他の地域と比べても半分ほどしかないことをみれば、「通常の」綿花栽培が健康被害に直結していることは明らかです。

近年、遺伝子組み換えによってあらかじめ殺虫効果を持つ種が多く出回りました。その種から育つ綿花は従来の病害虫には強いという特長があるということで、それまでの何倍も高価な種を、人々は借金をしてまで買いました。ところがその種は別の病気や害虫には弱かったのです。収穫量はかえって少なくなってしまい、とても借金を返すことができない。農薬で微生物も殺してしまい、土はすっかり痩せてしまいました。改良するためには、さらに莫大な肥料や水、つまり費用がかかる。

「もう借金はできない。借りたお金も返せない」と絶望的な状況のなかで、自ら命を絶つ人が、年間25万人。30分に1人が猛毒である農薬を飲むなどして亡くなっているのです。人々が安い綿製品を求めるその陰で、たくさんの命が失われている。大消費地である日本の人々が、その事実から目を背けていいとは思えません。

エコロジーを多角的にとらえて形にする

エコロジーを考えるとき、化繊の再生も身近な選択肢ではあります。弊社でも再生ポリエステルを利用した商品も作っています。

捨てられるはずのポリエステルを再生して使うのは悪いことではありませんが、やはりポリエステルはポリエステルです。地球にとって分解できない繊維であることには変わらず、洗濯などによってマイクロプラスチックが海に流れ続けます。生分解性のポリエステルも開発されたそうですが、まだまだ通常利用できるほどには普及していません。やはり現時点で目指すべきは天然繊維による製品づくりです。

オーガニックコットンの生地は普通の綿100%の生地よりも高価で、作った商品がお手頃価格とはなりにくいです。小売に持っていくと「売れる価格でないと売れない」と言われてしまいます。SDGsだ、エシカルだと言っても、価格が高くてはダメだ、と。厳しい現実です。

もちろんなるべく、誰もが手にしやすい価格にしようという努力をしています。Jumouは超高級ブランドではありませんし、よいものをできるだけ安く提供したいのは山々です。

しかし「お手軽価格になるよう安い素材で作る」という上代ありきの設定では、いつまでたってもオーガニックコットンが主流になっていきません。オーガニックコットンを正当に取引すればこういう価格の商品になる。その値段で手に入れる価値があるのだと、お客さまに知っていただくことも重要です。

Jumouの決意

できるだけ安くたくさん売るために安い木綿を使い続けるという選択は、農薬漬け、化学肥料漬けの綿花栽培、人件費削減のための奴隷労働、または学齢期の子どもを働かせることなどを容認するに等しいと思います。

残念ながら「100%オーガニックコットンしか使いません」と宣言できるほど企業体力がないので、現時点では、これまでの栽培方法で作られた綿も使っています。そのことを、痛みをもって告白するのは、いつかきっとオーガニック100%で製品づくりをしようと考えているからです。

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入間市仏子にあるJumou本店では、入り口の前で上記のオーガニックコットンを育てています。

交通量がそこそこある道路縁でのプランター栽培ですから、生育環境としてはあまりよくありません。同じ種から育てていても、個人が自宅で育てているもののほうが成長しているようです。

それでも店の前で育てることには理由があります。
一つは、「私たちには意志があります」とお客さまにお知らせしたいから。
そしてもう一つは、その目標を見失わないように、自分たちを戒めていきたいから。

いつかこの種を使って畑で本格的に綿栽培をしたいと思っています。もちろんオーガニック農法で。
そして収穫したコットンで製品を作っていく。そんな果てしない夢を見ながら水やりをしています。

「コットンの日」にオーガニックコットンの種をまきました

自家製オーガニックコットンの野望!?